【書評】言葉の外からみた風景

エクソフォニー――母語の外へ出る旅 (岩波現代文庫) 作者:多和田 葉子 発売日: 2012/10/17 メディア: 文庫 多和田葉子は1960年に東京で生まれ、82年にドイツへ移住した日本人作家である。高校時代に第二外国語としてドイツ語を学びはじめ、大学ではロシア文学…

【書評】アカデミックな哲学概論のスタンダート

哲学の基礎 作者:山本 信 メディア: 単行本 本書は、貫成人著「哲学マップ」(ちくま新書)で、「次のステップにすすむための本」として紹介されていた。 アカデミックな装丁に尻込みしてしまうかもしれないが、内容は非常に分かりやすい。最初の三章は哲学を…

【書評】少者よ汝の少き時に快樂をなせ

情事 (集英社文庫) 作者:森瑤子 発売日: 2014/06/06 メディア: Kindle版 私はすばる文学賞が好きで、最近の受賞作は大抵読んでいる。この「情事」という作品は、1978年に第二回すばる文学賞を受賞した小説で、森瑤子氏の小説は今回が初読みとなる。短い小説…

【書評】古代メソポタミアの歴史を豊富な図版で読み解く生きた通史書

古代メソポタミア全史-シュメル、バビロニアからサーサーン朝ペルシアまで (中公新書) 作者:小林 登志子 発売日: 2020/10/20 メディア: 新書 中公新書から2020年10月21日に初版発行された本。 メソポタミアとは「川のあいだの地方」の意味で、ティグリス川と…